アトピー性皮膚炎とアレルギー性皮膚炎の違いは何?簡単な見分け方を紹介

「アトピー」ってよく聞くし、周りにもいるけど、アレルギーと何が違うのか?同じなのか?アレルギー持ちの場合、今後アトピーになることもあるのか?よくわからないので調べてみました。

アレルギーとは何か

アレルギーとはどういうものか

アレルギーといういうのは、本来体を守るための免疫機能が特定の物質に対して過剰反応してしまい、過剰にその物質に対する攻撃を続け、炎症を起こすことを言います。

子供の頃から発症したり、大人になってから急に発症したり、アレルギーのなりやすさには遺伝性があるとは言われていますが、アレルギーになる原因はまだ解明できていないようです。

アレルギーの症状

何アレルギーか、にもよりますが、大まかに挙げてみると、

  • 皮膚の掻痒感
  • 蕁麻疹など皮膚疾患症状
  • 喉の腫れと閉塞感
  • 喉のかゆみ・イガイガ感
  • 消化器の違和感・不快感
  • 吐き気
  • 下痢
  • くしゃみ、鼻水・鼻づまり
  • 目の周りの腫れ

アトピー性皮膚炎と被っているのが、皮膚の掻痒感と、皮膚疾患症状ですね。




アレルギーの原因物質(アレルゲン)

アレルギーの原因物質は何か、というと、外部由来と内部由来があります。

いわゆる「アレルゲン」と言われているものが、外部由来の原因物質で、

IgEとかIgAとかの「抗体」が、内部由来の原因物質です。

体の外から体内に取り入れたアレルゲンが異物と認識されると、体の中で抗体が作られます。

皮膚や粘液の付近には、「マスト細胞(肥満細胞とも)」というものがあり、これを「補体」と言い、表面には作り出された種々の抗体が付着しています。

抗体ができた後、アレルゲンと抗体が結びつくことによって、抗体にスイッチが入り、マスト細胞から「ヒスタミン」などの化学物質が放出され、その化学物質により炎症が起こり、アレルギー症状が出るという仕組みです。

アレルギーは、まず抗体が作られないと発症しないんですね。

抗体が作られること=アレルギー発症の素地ができること、と言えます。

また、その素地がある前提でアレルゲンを体に取り入れることで、アレルギー症状が引き起こされます。

アレルギーのタイプ分類と抗体の種類

アレルギーには、主にⅠ型〜Ⅳ型の4種類があります。

稀に、V型という第5のアレルギーも発症するようです。

Ⅰ型:

即時型アレルギー(即〜数時間で発症)

代表例=アトピー性皮膚炎、花粉症、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、食物アレルギーの大部分、アナフィラキシーショック

関与する抗体=IgE抗体

Ⅱ型:

自己免疫疾患

代表例=ペニシリンアレルギー、ウイルス性肝炎(B型、C型)、自己免疫性溶解性貧血、不適合輸血による拒絶反応、悪性貧血、リウマチ熱、重症筋無力症、橋本病など

関与する抗体=IgG抗体

Ⅲ型:

アルサス型(2〜8時間)

代表例=全身性エリトマトーデス、関節リウマチ、多発性動脈炎、アレルギー性血管炎、シェーグレン症候群など

関与する抗体=免疫複合体(IgG抗体、抗原(アレルゲン)、補体(マスト細胞等))

Ⅳ型:

遅滞型(遅延型)(24〜48時間後に発症)

代表例=接触性皮膚炎、金属アレルギー、アトピー性皮膚炎、ツベルクリン反応など

関与する抗体=抗体は関与しない。T細胞、マクロファージ

Ⅴ型:

抗レセプター型自己免疫疾患(Ⅱ型の刺激性タイプ)

代表例=バセドウ病

関与する抗体=抗体は関与しない。受容体(レセプター)、自己抗体

(バセドウ病は、自己抗体がレセプターを刺激し続けることで甲状腺ホルモンが放出され続ける病気)

こう見ると、アレルギーのタイプの中でもⅠ型とⅣ型に、アトピー性皮膚炎が該当するようです。複合型とも言えるとか。

となると、アトピー=アレルギー???と思ってしまいますが・・・・・




アトピー性皮膚炎とは何か

アトピーという言葉の意味

どうでもいいと思う方もいるかもしれないんですが、個人的には「アトピー」って言葉自体が謎だったので、同じような感覚の方向けに記しておきます。

語源はギリシャ語の「atopos」(アトポス)で、意味は「特定されていない」「奇妙な」。

1933年にアメリカ人皮膚科医が「皮膚炎」を意味する「dermatitis」を組み合わせて「atopic dermatitis」という病名を生み出したとのことです。

それを、日本語訳したのが、アトピー性皮膚炎というわけなんですね。

ふむふむ、言葉の語源はわかりましたが、「特定されていない皮膚炎」「奇妙な皮膚炎」って、よくわからない謎の病気ってことですよね〜;

アトピー性皮膚炎とはどういうものか(症状、定義)

アトピー性皮膚炎の症状
  • 掻痒感(掻きむしるほどの痒み)を伴う皮膚疾患
  • 良くなったり悪くなったりする
アトピー性皮膚炎を引き起こすと思われる要因
  • 皮膚バリアの機能低下(元々低いか、低くなったか)
  • アトピー素因(これがなくてもアトピーになることがある)
  • 心身のストレス、寝不足
アトピー素因とは?
  • 本人か家族がアレルギー性疾患

もしくは

  • IgE抗体を作りやすい(IgE値が高い)

これはつまりは、「アレルゲンに対して(IgE抗体が)反応しやすい体質」と言えるかと思います。アトピー性皮膚炎の方のほとんどが、このアトピー素因を持っているそうです。

ほとんどが、ということは、アトピー素因を持っていない人でもアトピーになることがあるということですね。

また、アレルギー性疾患を持つのが自分でなく家族、という場合でもアトピーになりやすいということは、遺伝性もあると言えそうですね。

アトピーの原因については、未だに良くわかっていないとかで、治す方法も確立されてはいないようです。

なので正解ではないと思いますが、個人的に考えると、

アトピー素因を持っている(アレルゲンに対してIgE抗体が反応しやすい)体質、というベースがある上で、

角質に異常があって皮膚が乾燥しがちだったりする条件下で、

アレルゲンや汗などの刺激物質によって抗体が過剰反応を起こすことで、

酷い掻痒感を伴う皮膚の異常をきたす

ということかと考えます。




アトピーかどうかの見分け方(診断基準)

見分け方ですが、複数あります。

皮膚の異常が出る場所

アトピーと、そうでない皮膚疾患とでは、皮膚の異常が出る場所が異なるようです。

  • ひじ、ひざの裏

ここに赤いものが出ていたら、アトピーの可能性が高いそうです。

爪でなぞった時の色

また、皮膚を爪などでなぞってみて、

  • 赤くなる        →アトピーじゃない
  • 白くなる(白色皮膚描記)→アトピー

とも言えるようです。

基本的に、皮膚の薄い場所に出やすい印象がありますね。

酷い場合だと、それが全身に広がっていて非常に痛々しいです。。。

それに、皮膚が、竜田揚げの表面みたいに、ガサガサでこぼこするところまで異常をきたす場合もあります。

ご本人やご家族、大切な方がアトピー性皮膚炎に悩まれていて、不快に思われたらすみません。

私の小学生の時の担任が、まさにこの竜田揚げの表面みたいなガサガサ粉ふき肌でした。

赤くて白くて(粉吹き部分)ガサガサで、所々血がにじんでいて、痒そうだし痛々しかったです。

そこまでいくと、本当に日常生活に支障が出るでしょうし、簡単には治らないんだろうな、と思いました。

ここまでいくと、明らかにアトピーだな、とわかりますね。

↓で、結局、アトピーとアレルギーは違うのかって本題ですが、・・・

アトピーとアレルギーはどう違うか

「アトピー性皮膚炎とはどういうものか」という項でも見ていただいたと思いますが、

アトピーの人で、アレルギーの人もいます。

でも絶対ではないようです。

アレルギーじゃなくてもアトピーになるし、

アレルギー性の皮膚炎=全てアトピーというわけではない。

ということから、アトピーとアレルギーはイコールではない。と言えると思います。

ただし、大きく関連しているとも言えます。

アトピーにならないためにはどうしたらいいか?

アトピーっぽいな、と思ったら、アレルギー検査もしてみるといいと思います。

おそらく皮膚科でも検査を勧められると思いますが。

で、自分が何らかのアレルギーだとわかったら、皮膚のバリア機能を低下させないように、保湿に力を入れて、アトピーを発症しないようにするといいと思います。

睡眠不足にならないようにし、ストレスは都度都度解消して溜めないようにするのもいいと思います。

はっきりとした原因がわからない以上、できるだけリスクを減らす、ということしかできないかと思いますが、

それでも、やらないよりはやったほうがマシで、ちょっとしたことでも、結果が大きく変わることってあると思います。

アトピーについては、今後もいろいろ調べて見たいと思います。

とりあえず、以下が関連記事です。今後も更新する可能性ありです。

アトピーと耳切れ

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