毎年猛威を振るい、一家で感染、職場や介護施設・学校などで集団感染。
毎年の悩みとも言えるインフルエンザの流行。
かからないのが一番、ということで予防されている方も多いかと思いますが、もしかして風邪と同じでいいと思っていませんか?
どうもインフルエンザウィルスと風邪菌では予防策を変えなければいけない部分があるようです。
目次
インフルエンザと風邪の違い
予防するなら、病気のこと自体を知らないと!
ということで、インフルエンザと風の違いをまず、改めて見てみようかと思います。
初期症状の違い
インフルエンザと風邪の症状の違いって、重症か軽症化の違い・・・ってわけでもありません。
ベンザブロックのCMじゃないですけど、何から始まるか、が違うんですね。
インフルエンザ | 風邪 | |
初期症状 | 発熱(高熱)・寒気/関節痛・筋肉痛 | 喉のイガイガ/鼻水/くしゃみ |
特徴 | 全身性の症状から | 局所的な症状から |
確かに、風邪の場合は、なんか喉だけおかしいな〜、なんかくしゃみでるな〜、なんか鼻水でるな〜っていう、一部分の症状から始まってきますよね。
そうこうしているうちに、気づいたら熱が上がって具合悪くなる、という全身症状に発展します。
一方でインフルエンザは、あれ?っと思うと38℃くらいの熱が上がって倦怠感や関節痛や筋肉痛が出て一気に動けなくなります。
そうこうしていると、鼻水が出てきたり、お腹が痛くなったりします。
原因はウィルス?菌?
見出しにもありますが、病気を引き起こす原因となるものが異なります。
病気 | 原因 |
インフルエンザ | ウィルス |
風邪 | 細菌 |
と思ったら、これは大間違い・・・!
ひと昔、ふた昔?前は、風邪は「風邪菌」という細菌に感染して起こると思われていたかと思いますが、
今の常識としては、風邪の原因は「ウィルスと細菌」両方ということがわかっています。
ですので、正しくは以下の通りになります。
病気 | 原因 |
インフルエンザ | ウィルス |
風邪 | ウィルス、細菌 |
しかし風邪の原因ウィルスや菌は「風邪ウィルス」とか「風邪菌」とかいう1種類というわけではなく、200以上のウィルス・菌が風邪の原因となるとのことです。
そんなにたくさんあるんですね;
よく知られているのは、「アデノウィルス」「コロナウィルス」「ライノウィルス」でしょうか。
ちなみに、風邪の原因はウィルスか菌かっていう議論が結構あるらしくて、「ほとんどがウィルスだよ」って言ってる医者もいれば、「ほとんどがウィルスという根拠はない」とする医者もいるようです。
どうも、年代によって傾向が違うそうです。
20代までの若者 | ウィルスが多い |
40代以降の中高年 | 細菌感染が多い |
また、発症する前の行動(状況)からも推察できるとか。
多数の人と接触して発症 | =ウィルス原因 |
人と接触していないのに発症 | =細菌原因 |
とにかく、風邪の原因は、ウィルスも細菌もありえるってことですね。
インフルエンザと風邪の予防法
予防法をお伝えする前に、インフルエンザと風邪、また、ウィルスと細菌の違いについて説明したいと思います。
インフルエンザと風邪の違い(特徴)
ウィルス(主にインフルエンザ)の特徴
ウィルスは、生物の体内でしか繁殖できないという特徴があります。
増殖するための生物的機構を持ち合わせていないからです。
そのため、生物的特徴に作用する抗生物質が効きません。
(細菌への感染も疑われる場合は、処方されることもあります)
また、自力では増殖できないため、生物に寄生しない状態で存在し続けることができません。空気に漂ったウィルスからの空気感染というのは、ありえないそうです。
じゃあ?というと、ウィルス原因の病気は「飛沫感染」です。
要は、くしゃみや咳の時に飛び出したツバの飛沫が、いずれかの経路で体内に取り込まれることで感染します。
くしゃみの飛沫って、空気感染と一緒では?と思う人もいるかもですが、あれは飛沫が飛んでいるんですね。くしゃみだと、3mくらいは余裕で飛んで行くそうです。
ツバと気づかないくらいに細かい飛沫もあるんですね。
なので、空気感染はしないけど、患者と同じ空間にいて感染することはありえます。
直接口や鼻から入る場合と、身の回りのものに付着した飛沫を触って、手などから鼻や口について体内に取り込まれる場合とがあります。
ウィルスは体内に取り込まれないと繁殖できないのですが、体内に取り込まれないウィルスが即死ぬわけではありません。
インフルエンザウィルスだと、金属の上が一番生存しやすいそうで、最長24時間くらい生存し続けるそうです。
ドアノブや、PC、事務机、スマホとかは、インフルエンザウィルスがベットリ付いていると言えるかと。
次に、繁殖のしやすさ、しにくさを決めるのは温度と湿度です。
ウィルスが好むのは、低湿と低温で、
ウィルスが嫌うのは、高湿と高温です。
ウィルスに感染しにくい環境を具体的に挙げると、
部屋の温度18-25度、湿度50-60%を保つといいと言われています。
(湿度が高いほど、ウィルスは生存できなくなりますが、あまりに湿度が高いと、カビ菌が繁殖しやすくなります)
これにも異論はあって、アメリカの研究チームが、様々な湿度で検証したところ、感染率に変わりがなかった、という結果が出たそうです。
しかし、ウィルスがどうかはともかく、人間の体は、皮膚であっても粘液部分であっても、ほどよい湿度が保たれないと、免疫など生体防御機能が正常に働かないですので、湿度を保つのは有効と考えます。
生体内の環境としては、ウィルスの生存確率は、体温38.5度以上で3%、39℃以上だとほぼ0%だそうです。
もちろん、この体温になってしまうと、脳などの細胞が変質して機能不全を引き起こす危険が出てくるため、38.5℃以下に保つように注意しなければいけません。
ただ、熱が上がったからとすぐに解熱剤を飲むことは、せっかくのウィルス撲滅の可能性を低め、治療を長引かせることにつながりますので、お勧めできません。
細菌(一部の風邪と合併症)の特徴
細菌は、生体外でも繁殖します。
納豆には納豆菌が、キムチやヨーグルトには乳酸菌が、パン生地には酵母菌が、放置した食べ物には腐敗菌が、いますよね。
そして、空気中(生体外)でも生存しつづけられますので、「空気感染」します。
なので、人混みから離れていても、空気に乗った菌に感染することがありえます。
生物的な機構を持ち合わせているので、抗生物質が効きます。
生きやすい環境(気温と湿度)については、インフルエンザの場合と、そう変わりません。
粘膜は乾燥するとバリア機能が損なわれますので、適度な湿度と温度が必要です。
インフルエンザと風邪、共通の予防法
インフルエンザでも、風邪でも、どちらにも有効な予防法も紹介します。
- しっかり睡眠をとる
- 規則正しい生活
- 栄養バランスよく栄養価の高い食事
- 手洗い
- うがい
- 朝一の歯磨き
- マスク
- 適温適湿を保つ
これはもう基本的なこと!っていうものもありますね。
滋養強壮、よく食べよく寝て規則正しい生活
「風邪薬で風邪は治らない」とか聞いたことありませんか?
それはインフルエンザ薬も同じなんですが、
風邪薬は風邪の症状を抑えるだけ。インフルエンザ薬はインフルエンザの増殖を抑えるだけ。
なので、実際に風邪やインフルエンザを治すのは、自分の体(免疫)ですし、
そもそも風邪やインフルエンザにならないためには、免疫を正しく働かせるように、栄養バランスや睡眠、起床をしっかり規則正しくよく摂ることが大事です。
普段から習慣づけるのが一番ですが、インフルエンザが流行する数週間前からやってみるといいかなと思います。
手洗い・うがいは基本
手洗いうがいはもう、基本ですね。
これもまた、普段から心がけて習慣化したい予防策です。
身の回りのものって結構汚くて、見た目にはそう見えなくても、菌やウィルスがかなり付着しているものです。
それが手についたまま、食べ物や調理器具、食器や箸、口や鼻の周りを触ったりすると、体内に取り込んで感染する可能性が高くなります。
うがいは、賛否両論のようですが、喉についたものを外に出す、というだけでなく、喉を潤して免疫機能を助ける意味もありますので、外から帰った時だけでなく、日に数回、必ずするようにしましょう。
適度な室温・湿度について
室温と湿度には、「相対湿度」を考える必要があります。
気温を高くすればするほど、湿度を高く保つために必要な水分量が増えるのんです。
なので、部屋を暖めると同時に、加湿したり、たまに窓を開けて換気することが大事です。
最後に、今までの常識を覆す効果的な、正しいうがい方法と、マスクの扱い方を紹介しますので、要チェックです!
先にこちら↓
ウィルスか菌かによる対策・予防法の違い
ウィルスと菌での性質の違いによって、対策が違うようです。
ウィルス(主にインフルエンザ)の予防策
ウィルス予防の場合は、とにかく、
- 飛沫を浴びること
- 飛沫を浴びたものを触るのを防ぐこと
が大事です。
なので、うがいよりも、
マスクをすることと、手をこまめによく洗うことの方が大事です。
身の回りもののこまめな消毒も有効ですね。
スマホなんて特に、身近でよく触るし、顔に近づける機会も多いので、注意が必要です。
電車内などでの人混みで取り出す機会も多く、感染者の飛沫を浴びてる可能性高いですし!
細菌(一部の風邪と合併症)の予防策
最近は、空気感染しますので、ウィルス対策よりもずっと、
マスクをすることが大事です。
さてさて、正しいうがい・手洗い、マスクのやり方(↓)も確認してみてください。
意外!今まで間違ってた!?
効果的なうがい方法、マスクの付け方・外し方
うがいの効果的な方法
ここで、うがいをする際についついやってしまいがちな間違った方法と、正しいやり方をお知らせしたいと思います。
やっちゃダメなうがい方法
=いきなりガラガラうがい
水を口に含んだら、即、上を向いてガラガラ。
これは、間違いなんですね。
口の中はかなり汚くて、雑菌がたくさん繁殖しています。
いきなりガラガラうがいをしてしまうと、口の中の雑菌を、わざわざ喉に届けてしまうことになります。
これは残念!
正しいうがいの方法
=まずは、ブクブクゆすぎうがいから
正しく効果的なうがいは、ブクブクゆすぎうがいの後に、ガラガラうがいをする、というものです。
水を含んだらまず、ほっぺたの部分だけでブクブクしてぺっと吐き出します。
これは1回でも2回でもいいです。
口の中のベタベタをなくすイメージでブクブクと口の中をゆすぎます。
そうして口の中を綺麗にした後に、ガラガラうがいをします。
さっと済ませたいと思っても、いきなりガラガラは、逆効果ですからね!
正しいうがい方法
=ガラガラうがいは正面だけじゃなく左右も
そして、ガラガラうがいをするときは、真上だけを見てやりがちですが、それだと、のどちんこの手前くらいしか流せません。
大事なのは、扁桃腺のある左右(下)の部分なんですね。
なので、
真上を見てガラガラ、左上を見てガラガラ、右上を見てガラガラ
というように、満遍なくうがいすることで、効果的にうがいできます。
マスクの正しい付け方・外し方
マスクにも正しい扱い方があるんです。
大事なポイントはこちら。
- マスクの内側は触れずに綺麗に保つ
- 触るのは、ひも>外側
- マスクの外側は、汚物と思え!
- 着ける前も外した後も、極力触らない
- 一度外したマスクは即捨てて、封印する
- なんども使わず、必ず使い捨てにする
マスクの正しい付け方
マスクをつける際は、マスクの外側をつまむ
紐を持ってしまうと、くるくるっと回って、どっちが内か外かわからなくなります。
マスクの内側に触れるのは顔だけ。手で触らない
マスクの内側はサンクチュアリ(聖域)と思ってください。
マスクの内側を手で触るということは、手についた雑菌をこすりつけるのと同じです。
マスクの正しい外し方
外すときは、マスクの外側は触らず、紐だけを触る
マスクの外側は、汚物です。汚染区域です。
空気が漉し取られて、人のくしゃみや咳の飛沫を浴びて、雑菌・ウィルスがうようよと蔓延っています。
それを触ってしまっては、顔周りや鼻、口へ菌・ウィルスを移すことにつながることになります。
極力、耳にかけている紐だけを触ってください。
外すときは、そっと、顔(鼻や口)に向けずに遠ざける
もう一度言いますが、マスクの外は汚染区域です。
マスクを乱暴に雑に外して鼻や口の近くで振り回すと、菌やウィルスが舞って、それを吸い込んでしまうことにもなりかねません。
そっと外して、顔の後ろにそっと回しましょう。
マスクの正しい扱い方
マスクは、ちょっとだけ外すはナシ!外したら捨てる。
ちょっとだけ外して飲み物飲みたい。おやつ食べたい、顔を掻きたい。
とかしちゃうと、マスクの外側についた菌やウィルスを、顔(鼻や口)につけてしまう、もしくは吸い込んでしまう可能性が高いです。
ちょっと顎の下にずらす、とかもダメです。
マスクは惜しげなく。使い回し厳禁。
ご飯の間外しておいたマスクをまたつける。
とかも、絶対やめましょう。
これをやると、せっかくなるべく無菌・無ウィルスに近づけていたマスク内部が、雑菌・雑ウィルスにさらされてしまう可能性が高いです。
息によって結露してて、雑菌繁殖に抜群な環境にもなっているので、絶対に使い捨ててください。
歯磨きは起床してすぐ。
一晩寝て起きた時の口の中は、雑菌だらけです。
そのまま水や白湯をいっぱい飲むとか、そのままご飯食べるとかすると、口の中の雑菌を体内に取り込むことになります。
歯磨きはゆすぎから
歯磨きするときに、うがいせずに、ゆすぎせずに即ゴシゴシし始める人がいるんですが、あれは残念です。
口の中の雑菌を少しでも排出してからでないと、歯ブラシに雑菌・雑ウィルスを移してしまうことにもなります。
朝起きたらまず、ゆすぎうがいして、雑菌・雑ウィルスをなるべく外に排出してから、歯磨きを始めましょう!
どうですか?
私はかなり意外な知識がありました。
気をつけているつもりが、逆効果の対策をしてしまうことにならないよう、正しい情報を得るようにしたいですね。
参考になりましたら幸いです。