インフルエンザ予防接種、子供は何歳から?効果、飲酒・運動リスク、値段等まとめ

毎年冬になるとインフルエンザが流行し、その度に「早めに予防接種を」と呼びかけられますが、一方で予防接種の副作用・リスクへの不安の声もたくさん聞かれますよね。

受けない方が無難かも・・・と思いつつ、最近ではいわゆる「インフルエンザ脳症」で小学4年生のお子さんが亡くなったことで、やはり予防接種を受けてインフルエンザ罹患自体を避けた方がいいのでは?とも思う。

実際どうした方がいいのか、どんな副作用、リスクがあるのか、他の病気のワクチンと並行して受けていいかどうかなど、ちょっと調べて見ました。

インフルエンザ予防接種ってどんなもの?

インフルエンザの予防接種というのは、

微量のインフルエンザウィルス(不活性化済み)を体内に取り込むことで、そのインフルエンザに対する「抗体」を手に入れ、実際にインフルエンザウィルスに晒された(感染した)時にウィルスを駆逐する力(抗体、免疫)を手に入れ、発症を抑える

というものです。

不活性化とは、増殖しない、ということで、摂取しても微量なままなので、実際にインフルエンザになってしまうものではありません

あくまで、「インフルエンザウィルスって、こういうものですよ。」と体にお知らせして、実際に感染した時のための事前準備(抗体作り)をしてもらうという感じです。




予防接種に対応しているインフルエンザの種類は?

C型は、6種類ある上、症状が軽度で、大流行もしないため、ワクチンが用意されていません。

予防接種が用意されるのは、A型、B型のみになります。

また、一口にA型、B型と言っても、種類があります。

「香港A型」「ソ連A型」「シンガポールA型」「プーケットB型」「テキサスB型」とか、聞いたことがあるのではないかと思いますが、その年に流行しそうな型を専門家が予想し、決めうちで、「今年はこれ!」という型のウィルスに対応するワクチンを流行前の暖かいうちに製造し始めます。

基本的には、「混合ワクチン」とか言われるように、A型、B型合わせて2〜3種類のインフルエンザウィルスを取り込むのが一般的です。

AもBも、両方毎年流行するので、どちらも摂取した方が安心なんですね。

近年のインフルエンザ予防接種では、以下の通りのA型2種類、B型2種類、合計4種類が混合された「4価ワクチン」と呼ばれるものが用意されているようです。

A型:H1N1

A型:H3N2

B型:山形系統株

B型:ビクトリア系統株

しかし、流行予想が外れることもあります

よって、摂取したものの、インフルエンザにかかるということも、もちろんありえます。

ぴったり一致しなければいけないわけではなく、近しいタイプであれば、作られた抗体で対処できることもあります。

逆にタイプが違えば違うほど、遠くなれば遠くなるほど、対応できる抗体も異なるので、防ぐことができなくなります。

ある種、運試しみたいなところもあるようです。




インフルエンザ予防接種を受ける時期、かかる期間は?

インフルエンザ予防接種の時期の前に、、、、

インフルエンザの流行時期

A型とB型の毎年のだいたいの流行時期を見てみましょう。

A型:12〜3月下旬

B型:2〜5月

インフルエンザって冬に流行するっていうイメージですが、そのイメージ通りというか、イメージの元となっているのがインフルエンザA型の流行時期のようですね。

B型は少し遅れて流行ります。「もうインフルエンザの時期終わっただろ、もうあったかくなったし。」と油断した時にかかっちゃうイメージなので、逆に怖いというか、ある意味要注意ですね。

インフルエンザ予防接種の時期、期間は?

インフルエンザの予防接種の場合、抗体が出来るまでに摂取から1週間〜2週間かかると言われています。

抗体の量が充分になるまで(ピークになるまで)は、摂取から1ヶ月かかり、

その後、約4ヶ月ほど効果が持続

そのあと、減衰して行って、1年かけて30%程度まで落ち込むそうです。

A型の流行時期が12月〜3月の約4ヶ月で、摂取から1ヶ月で「万全」と言える状態になるので、A型を防ごうと思ったら、11月の頭あたりに摂取するのがいいかなと思います。

ただ、だいたい、早めに流行の兆しが見えたりしますし、流行のピークは1月末から2月にかけてとなるようなので、早めの10月に受けることを推奨している病院もあるようです。

なるべく早くお医者さんに相談の上で、摂取時期を決めるのがいいかと思います。

B型については、4月、5月も流行の可能性がありますが、効果が明確に有効とされる4ヶ月間からは外れてしまいますが、まだ高いレベルで抗体が存在している時期かと思いますので、個人的には、より重症化しやすいA型を最優先で防ぎ、B型も防げる可能性の高い11月、遅くとも12月上旬までに受けておくのがベストかなと思われます。




インフルエンザにかかった後は予防接種を受けても意味がない?

「予防接種受けなきゃ・・・」「受けた方がいいかな・・・」と思っているうちに、もうかかってしまった!

そんな時は、予防接種はもう受けられない、もしくは受けても意味がないのでしょうか???

まず、かかってしまったインフルエンザについての予防接種を受ける意味はありません。もう抗体が作られたからです。

受けるとしたら、まだかかっていないタイプのインフルエンザのワクチンになります。であれば、受ける意味はあります!

ただし、時期にもよります!流行の時期がもう終わるのであれば、受けなくてもいいかな〜となりますよね。

ただこれも、その年、その時期の流行具合によります。

また、抗体が出来るまで待つよりは、抗インフルエンザ薬で治療する、もしくは罹患がはっきりする前に予防投薬すると言う方法もあるようです。

いろいろ含め、医師に相談の上、ですね。

ちなみに受けるとしたら、インフルエンザが治癒してから1〜2週間は空けて受けるのがいいとされています。




インフルエンザ予防接種は無駄?効果はある?

で、実際に、予防接種って効果あるのかな〜とちょっと疑問に思われている方もいるかと思います。

ここまで話しておいて、そもそも論ですが;

結論から言うと、流行予想が当たれば、効果があると言えるかと思います。

「インフルエンザ予防接種受けたけど無駄だった」

という声が聞かれるのは、摂取した型とは違う型のインフルエンザにかかってしまった場合ですね。

ざっくり言うと、「予防接種を受けても、インフルエンザにかかる可能性はある。が、受けないよりは安心だろう」と言う感じです。







インフルエンザの症状は、予防接種をすることで軽減されるか?

症状が軽減される、というか、重症になりにくい、合併症を防げる、という話があるようです。

本当でしょうか?

予防接種は、インフルエンザに対する抗体を獲得するために受けます。

先述しましたが、作られた抗体は、近縁であればあるほどインフルエンザには有効に働きますので、飲んでおけば、ある程度の種類のインフルエンザに対してある程度の効力を発揮します。

こういった理由で、発症しても重症化を防げる可能性がある、ということと思われます。

また、重症化しないということは、体が弱らずに済んで、他のウィルス・菌に感染しても増殖・発症しにくくなりますし、高熱も出にくいので、インフルエンザ脳症といった合併症のリスクも低く出来ると言えます。

理屈はともかく、こういった事実は実際、大規模な臨床結果として確認されていることです。

こう考えると、予防接種を受ける価値はある気がしてきます。

インフルエンザ予防接種の金額(値段)は?

さて、気になる予防接種にかかる費用です。

2018年10月に調べた結果だと、平均3529円だったようです。

2017年10月は平均3524円だったようなので、あまり大きな変動はないようです。

ただし、年々高騰はしているようです。

ちなみに「平均」となっているのは、病院によって金額が異なるからです。

なんで!?と思いますが、インフルエンザの予防接種は、任意で受ける「自由診療」だそうです。

これに、それぞれの地域的な事情なども加わり、金額が様々になっているようです。

安いところで2000円代、高いと5000円以上のようです。

5000円ってなると、受けるのためらっちゃいますよね;

薬の効果は変わらないので、いろいろ調べてお得に受けられるところで受けたいですね。




インフルエンザ予防接種を受けるときの注意点・リスク

ここまで見てきて、受けた方がいいんだな〜と思ってきた予防接種ですが、受ける前、後で気をつけなければいけないことがあるようです。

1、摂取の前後(当日)で、飲酒や激しい運動はしない

飲酒も運動も、血管を拡張し、血行を促進します。

血液が激しく循環する状態ですと、注射したところが大きく腫れる可能性があるようです。

となると、長時間の入浴サウナホットヨガとか激しくないけど熱くなるエクササイズも避けた方が良さそうですね。

2、入浴は摂取後1時間以上経ってからで、注射部位をこすらない

入浴自体はしてもいいみたいです。

でも、体が熱くなりすぎるとよくないので、お湯は38〜40℃くらいにしておいた方が良さそうです。

注射部位をこすってはいけないのは、そこからウィルス・雑菌が入るとよくないから。

インフルエンザへの抗体を作ることが優先すべきことなのに、他のウィルスや菌が入ってきては、そっちへも対応しなきゃいけなくて、免疫機構がてんてこ舞いです

体への負担も大きくなりますので、これは遵守したいですね。

3、注射部位が赤く腫れたり痛んだり、微熱が出たりすることはある

体が熱くならないように気をつけていても、赤く腫れたりすることは割とあることのようです。

2〜5日くらいで治まるそうなので、よっぽどでない限りは安心してください。

また、もともと免疫機能が活発な方は、インフルエンザウィルスに対して「過剰」と思える反応を見せて、腫れたり熱っぽくなったりしやすいみたいです。




4、稀にアレルギー反応あり(高熱、かゆみ、じんましん、息苦しさ)

稀にですが、アレルギー反応を見せる人もいるようです。

これは、インフルエンザワクチン製造に、鶏卵が使われているからと言えます。

ウィルスの「株」というものを、鶏卵に植えて増殖させ、そこから取り出したものからワクチンが作られます。

そのため、卵黄でも卵白でも、鶏卵に対しての高レベルのアレルギーがある方は、摂取前に医師に相談していただきたいです。

製造技術は改善に改善を重ねて、リスクは低くなっているようですが、もしかしたら摂取を控えた方がいいかもしれません。

これらの症状は、摂取から30分以内に起こることが多いそうなので、摂取後しばらく病院に残るとか近くに待機しておくのもいいかもしれません。

5、稀に神経症状(ギラン・バレー症候群、けいれん)など重い副作用も

これも稀にではありますが、100万人に1人くらいの割合で、神経系の重篤な症状を見せることもあるようです。

有名なのはギラン・バレー症候群です。運動神経に障害をもたらし、手足が震えたり力が入らなくなり、重篤だと呼吸困難で人工呼吸器が必要になる場合もあるようです。

これは、ワクチン摂取に限定しているものではなく、普通に感染した場合にも起こりうる、ウィルスや細菌への感染をきっかけとして起こる病気です。

他には、痙攣、急性脳症、散在性脳脊髄炎、肝機能障害、喘息の発作、血小板減少性紫斑病などが確認されているようです。

こういったものが確認されてから、任意の摂取に変わったり、ワクチン摂取しようという人が減ったりしてきたようですが、ごく稀なことで、基本的には摂取することでの恩恵の確率の方が断然高いと言えます。

これはもう、現状、摂取前に遺伝子レベルで検査するとかしないと誰にも予測はできないでしょうから、「運」ということで、各人の判断で摂取するか決めるしかないかと思います。

医師にはリスクの説明義務はあるでしょうけど。

リスク説明してくれない医師であれば、何か起こった時にも対処が遅い可能性もありますし、摂取をやめて他の病院に行くという選択もありと思いますよ!




インフルエンザの予防接種、子供だと何歳から?摂取回数は?

さてさて、気になる予防接種の対象年齢、摂取回数の話をしていきたいと思います。

インフルエンザ予防接種の対象年齢

インフルエンザの予防接種って何歳から受けられるんでしょう?

子供がいる家庭だと気になるところですよね。

対象年齢としては、生後6ヶ月からとなります。

結構早くから受けられるんですね。

そんなに早く受けて大丈夫?と思ってしまいますよね。

予防接種の量は年齢により異なる

実は、年齢によって、一回に受けるワクチンの量が異なるんです。

生後6ヶ月〜2歳:0.25ml

3歳〜:0.5ml

乳幼児、特に2歳以下の場合だと、量が少なくなっているんですね。

やはり、大人と同じでは負担が大きいということかと思います。

接種の回数は1回?2回?

接種の回数も、年齢によって異なるようです。

生後6ヶ月〜12歳:2回

13歳〜:1回

大人(ここでは13歳以上)の場合、一回ですみますが、子供(12歳以下)の場合は2回受けなければいけません。

お子さんは嫌がるでしょうし、金額も倍かかるので保護者にとっても結構な負担ですね。

子どもの医療費が無料としている自治体もありますが、インフルエンザワクチンは自由診療なので費用はそれぞれで負担しなければいけません。

他が無料なだけ、インフルエンザワクチンくらいなら、とも思えますが。

2回目の摂取の時期は?

2回受けなければいけない12歳以下の場合ですが、最初の摂取から1週間経てば、次の2回目の接種が受けられます。

ただし、効果を考えるとだいたい2〜4週間の間に受けるのがいいようです。

これは、医師に確認してください。

中学受験を控えてる、とかいう小学生のお子さんの場合、早め早めに受けておいた方がいいですね。




インフルエンザと、他の病気のワクチンを同時期に接種しても大丈夫?

気になるのが、他の病気の予防接種もうけたくて、タイミング的に重なってしまった場合。

同時接種する場合

結論として、同時接種は可能だそうです。

ただし、同時接種するのが「生ワクチン」の場合には注意が必要です。

1回目の接種で他の生ワクチンを同時接種した場合、インフルエンザワクチンの2回目の摂取を4週間以上遅らせる必要が出てきます。

そうすると、対インフルエンザの効果が出るまで時間がかかってしまうリスク、効果が落ちてしまうリスクが出てきます。

ですので、他の生ワクチンは、インフルエンザワクチンの2回目で同時接種するのが望ましいようです。

生ワクチンとは、以下の病気のワクチンが該当します。

  • MR(はしか・風疹の混合ワクチン)
  • おたふくかぜ
  • 水疱瘡(みずぼうそう)
  • ロタ
  • BCG(結核)

生ワクチンでない場合は、1回目でも大丈夫なようです。

<生でないワクチン(不活化ワクチン)の例>

  • 二種混合(ジフテリア、破傷風)
  • 四種混合(ジフテリア、百日ぜき、破傷風、ポリオ)
  • 日本脳炎
  • Hib(ヘモフィルス・インフルエンザ菌B型感染症)
  • 肺炎球菌
  • B型肝炎

同時期だけどタイミングをずらす場合

インフルエンザの予防接種をした後だけど、他の病気の予防接種もしたくなった。みたいな時はどうしたらいいでしょうか?

ワクチンを複数受ける際に、空ける期間の原則

ワクチンの種類によって、次のワクチンを受けるまでにどれだけ期間を空けるかが異なります。

生ワクチンを受けた場合は、4週間(27日)以上

不活性ワクチンを受けた場合は、1週間(6日)以上

インフルエンザ予防接種も含め、「不活性ワクチン」を受けた後は1週間空ければ次のワクチンんを接種していいので、

不活性ワクチンも生ワクチンも受けたいという場合、先に不活性ワクチンを受けるのが効率的に短期間で受け終わるコツです。

インフルエンザの予防接種を受けた後に別のワクチンを受けたい場合

ですので、「他の生ワクチンを受けていない」という条件を満たしているという前提で

直前のインフルエンザ予防接種から1週間あければ、他のワクチンを受けてもいいみたいです。

ですので、「インフルエンザの1回目の予防接種から1週間空けて、別の病気のワクチンを受けて、さらに1週間〜2週間空けてインフルエンザの2回目の予防接種を受ける」なんていう受け方になるようです。

予防接種の同時接種とかは可能ではあるけど、あまりに同時期に受けすぎるとか、生ワクチン接種後は、体への負担が大きすぎるということかと思います。

また、それで具合が悪くなった場合、どの病気(どのワクチン)が悪さしているのかを計りかねて、対処が遅れるいうこともあるかと思います。

いろいろ見てきましたが、理想を言えば、予防接種は思い立ったらというよりも、事前によく調べて計画的にやりたいものですね。

この記事が参考になれば幸いです。

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