辻口シェフ(サロンデュショコラ)昆布だし入りチョコ「DNAショコラ」とは

今回は北海道放送製作のTBS番組「ニッポン千年のだし」で取り上げられた、辻口博啓シェフ営む「ル ショコラ ドゥ アッシュ」が生み出した、昆布とチョコレートを組み合わせたグルタミン酸の旨味を活かしたDNAショコラについて掘り下げたいと思います。

TBS【ニッポン千年のだし】で紹介される辻口博啓シェフの昆布だし入りチョコレート

2/25(日)15時から、日本独特のだし文化を牽引してきた「昆布」がテーマの番組「ニッポン千年のだし」が放送されます。

ナビゲーターは女優やタレントとして活躍されている夏菜さんが勤めます。ワインエキスパートの資格をとっているそうで、その知識や経験を活かして「利きだし」にチャレンジしたり、昆布にまつわるもの、人、ということで、日本だけでなく世界で認められ、多方面で活躍している辻口博啓シェフの昆布だしを使ったチョコレートが紹介されます。

この昆布出汁入りのチョコレートは、チョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ パリ」内で発表される、C.C.C.(セーセーセー)というコンクールで金賞をとっている「DNAショコラ」が取り上げられます。

朝ドラの「まれ」でも登場した昆布のスイーツですが、「まれ」では辻口さんが製菓の指導を行っていて、それで注目されて今回の番組制作側の目にとまったようです。

昆布出汁のテイスティングって、すごい難しそうですね。ほぼ味は無いようなものじゃないか?と思ってしまうのですが、実際はどうなのか。味わえないし香りも感じられないのが残念ですね。

昔うちのじいちゃんばあちゃんがよく、「ほら!テレビの裏に入って取ってこい!」って冗談をよく言っていたのが思い出されます。

「ニッポン千年のだし」

放送日時 : 2月25日(日)15時00分~16時24分

放送局 : TBS系12局ネット(HBC・TBS・MBS・CBC・RKB・TBC・TUY・TUT・SBS・RSK・RCC・ITV)

製作著作 :HBC北海道放送

ナビゲーター:夏菜

(TBS系列12局で放送/HBC北海道放送制作)




チョコの祭典「サロン・デュ・ショコラ」、チョコのミシュラン「C.C.C.」とは

サロン・デュ・ショコラとは?

パリ発、チョコレートの祭典。一年に一回、パリ、リヨン、マルセイユ、ベルギー、ミラノ、日本、ソウルで開催されます。

日本国内でいうと、東京、札幌、仙台、名古屋、京都、福岡で、各地の百貨店主催で開催されています。

何をやっているかというと、各地・各ショコラティエのチョコレートが一堂に会するチョコレートの世界最大の見本市兼物産催事となっているんですね。

パリでは、世界各国から有名なショコラティエ、パティシエなどの国際シェフ200名以上が参加し、複数のコンクールや表彰式も行われ、ここで受賞したショコラ及び製作したシェフは世界的に認められたことになるという、パティシエやショコラティエの登竜門としても機能しています。カカオ豆生産者、チョコレート製造機械メーカーが集結し、一般来場者も合わせて10万人近くが訪れる一大イベントとなっています。

シェフがショコラやデザートの製作を実演してくれ、試食もできたり、シェフがトークショーで直接話を出来たりと、

東京では2003年にスタートして、2017年で15回目の開催となり、毎年の定番イベントといってもいいくらいになりました。2015年からは、百貨店の催事場よりも更に大きな外部の会場で行うなど、どんどん規模が拡大されているようです。ブランドやショコラティエの作る高級で上質なチョコレート人気が高まっているのが伺えますね。

三越伊勢丹のエムアイカードを持っている方対象で特別招待日というものが設定されているので、2日間ほど、一般会期よりも早く入場できるそうですよ。




C.C.C.とは何の略語? 読み方は?

C.C.C.というのは、「セーセーセー」と読み、フランスで最も権威のあるチョコレート愛好家協会、『クラブ・デ・クロクール・ド・ショコラ』(Club des Croqueurs de Chocolat=チョコをかじる人たち)のこと。

このC.C.C.の主催するショコラ品評会での結果は、世界的に大きな影響を与えることから、C.C.C.は“チョコレート版ミシュラン”とも呼ばれているそうです。サロン・デュ・ショコラ当日に審査するのではなく、応募制で事前に約150社以上からチョコと説明書を送って来させ、独自の基準で評価して、サロン・デュ・ショコラの会期中に発表されるので、抜き打ちで日常性を評価するミシュランとは違い、とっておきの作品を評価してもらう一発屋的な側面もあります。といっても、偶然すごいいいものが出来るなんてことはまずなく、日々のたゆまぬ努力と研鑽、研究の結果が出るものだと思いますので、やはりC.C.C.に評価されるということは、シェフとしての実力が試されるものだと思っていいかと思います。

このC.C.C.で、辻口シェフの経営するル ショコラ ドゥ アッシュが、2013年と2014年の2年連続で最高位の5タブレット金賞を受賞しました。2013年から数えて合計5年連続で金賞を受賞しています。

ちなみに、コンクールの審査員はフランス在住の約20名で、テイスティングをして味とデザイン、作り手を評価をするのですが、その評価基準と評価方法を変えたそうです。

評価方法は、長年、1タブレット〜5タブレットという5段階評価をしてきたそうですが、2015年から、金タブレット・銀タブレット・銅タブレットの3段階での評価に変更したとのこと。

そして、評価基準は、「特に優秀なショコラティエ」に与えるというコンセプトから「今後に期待できる人」「才能があり注目して欲しい人」に与えるというコンセプトに変更したそうです。

辻口さんが受賞したのは、基準を変える前のC.C.C.ですね。なので評価としては、「特に優秀なショコラティエの中でも一番優れた人の中の1人」ってことですね。すごい!(金賞は、1人(一社)限りに与えられるわけではないです)

ただ、新しい評価基準のほうが、受賞する人が毎回違ってきそうで、才能のあるシェフがどんどん認められていきやすくて、ショコラティエ側としても、チョコ好きとしても、win-winな評価基準だなと思います。

世間的に評価されると、狭い地域でだけでなく、いろんな場所で入手しやすくなりますからね。それに職人って、孤独になりがちだったりしますから、幅広く知られて認められることで、励みになって、また頑張ろうと思えるんじゃないかなと。そうすると、美味しいチョコが新しく、永く生み出され続けて、消費者も嬉しいという・・・まさにwin-win。笑

フランスで最も権威のあるチョコレート愛好家協会、『クラブ・デ・クロクール・ド・ショコラ』(Club des Croqueurs de Chocolat)=チョコをかじる人たち。

要はチョコ大好きの人の集まりなんですね。笑

どれが美味しいか、どれが心躍るチョコか、どのシェフがこれからも素晴らしいチョコに出会える楽しみを作ってくれるのか。そういうことを真剣に考えて選んだ結果ですから、選考する人=消費者代表って言えると思うし、だからこそ信頼できる指標たり得るのだと思います。




C.C.C.の「5タブレット金賞」ってどんな評価? すごいの?

「5タブレット金賞を受賞!」というのを見ても、「5タブレット」?

タブレットを単位としてるの?どういうこと??

と、よく意味がわからなかったのですが、どうも、新しい評価方法の「金タブレット」とかいう言い方からして、「金メダル」「銀メダル」「銅メダル」みたいな使い方をしてるんですね。

5段階評価だと5タブレットは一番良い賞なので、「星5つですっ・・・!!!」みたいなことなんですね。

納得。すっきりしました。笑

すごい気になってたんです。5タブレットとか言われても、すごい気がしない。

新しい評価の「金タブレット」「銀タブレット」とかいわれたほうが、よっぽどしっくりきますね。

フランス人的にはどうか知りませんが、今のほうがいいです。英断ですね。(誰目線)

辻口博啓シェフの昆布×チョコレートって美味しいの? どんな味?

昆布×チョコレート、見た目はシンプル。味は・・・

2014年の「サロン デュ ショコラ パリ」に辻口博啓シェフが「ル ショコラ ドゥ アッシュ」の看板で出品した「DNAショコラ」のうちの一つに、昆布だしを使った「旨味ノワール(UMAMI noir)がありました。

カカオ分75%のクーベルチュール(ペルー産トリニタリオ種)に、カカオニブをナノ化したものを5%加え、ガナッシュを作る際、生クリームに昆布だしを10%加えているとか。わたしは食べたことはないのですが、カカオの含有量は多いのに苦味を感じにくく、昆布の味は感じるけども自然に馴染んで違和感はまったくないとか。見た目も普通のボンボンショコラで、外側はフランス式に薄手のチョコでコーティングされており、中にガナッシュがぎっしり詰まった美味しそ〜なショコラです。うん、食べてみたい。

同時に出品した他3種類のショコラにも、昆布だしが使われているそうですが、他の材料を加えているので、そちらの印象の方が強いと思われます。昆布だしの旨みは、全体を引き立てることや全体の調和に使われているのでは?と推察します。昆布をより感じられるのは、「旨味ノワール」ということですね。

見た目は4つとも四角い至って普通のボンボンショコラ。口に入れて味わった途端、口の中に広がる旨み、風味にやられる、という繊細で粋なびっくり箱のようなショコラですね。

C.C.Cからも「洗練されて」「研ぎ澄まされた上品さ」「エレガント」と賞賛された方どの味わい。さらに、「日本伝統の味を組み合わせて驚くべき香りを表現している」とのことで、味だけでなく、口に入れた後の香りも楽しめるとのこと。ますます食べてみたいですね。




他の昆布×スイーツ:朝ドラ「まれ」第24週のケーキ「ドゥ・ヴィ」

昆布とスイーツといえば、NHKの朝ドラ「まれ」で主人公が作ったケーキの中に、昆布だしを使ったものがありました。登場は第24週。

あれはムース部分に使うゼラチンを戻すのに水ではなく昆布だしが使われていました。「まれ」の製菓指導は辻口博啓シェフがされていたので、当然の帰着かもしれません。

あちらのケーキこそ、見た目は薄いピンクのクリームに包まれ、トップにはカットしたベリーが数種類載せられていて、とても、昆布と親和するとは思えない見た目です。

製菓用品の通販サイト「cotta」のサイトに、レシピも載っていますので、興味がある方は作ってみてはいかがでしょうか?(cottaは、作中に登場したケーキの持ち帰り用BOXを作成。他にも辻口シェフのレシピを載せているので、必見です!)

結構手間のかかる感じでしたので、お気軽にどうぞとは言い難いですが、辻口シェフの味を自宅で試せるチャンスですよ〜。ショコラティエになった気分も味わえるかも?

「これ昆布だしが入ってるんだよ〜」なんていってママ友や友人、家族に出したら、感心されるか、ちょっと嫌そうな顔をされること、請け合いです。

(いや、味は美味しいと思いますが、最初はちょっと抵抗あるかもしれないので)

ただこのケーキ、とっても真面目に考えて作られているようです。

「まれ」の人生を表すようなケーキとしてスタッフと辻口シェフが頭を悩ました結果生み出されたものとのことですが、子供達が大好きなおっ ぱい(母乳)の成分を調べ尽くして、たくさん含まれているのは「グルタミン酸」で、そしてそれが含まれているのは「昆布だし」!ということで、考案されたそうですよ。

わたしは朝ドラ「まれ」を観ていないので、「まれの人生=おっぱ い」という図式が不思議でしょうがないですが、どうもそういうことだそうなので、そこで悩むのはやめておきます。



辻口博啓シェフの昆布×チョコレートはいつどこで買える?

で、昆布チョコレートはどうやったら買えるのか?調べてみたのですが、2018年時点では、常時購入するのは無理かもしれません。オンラインショップでも、見つけることはできませんでした。

店頭で買えたという情報が載っているブログなどネット上の記事は、2014年10月開催(出品した年)のサロン デュ ショコラ パリ直後か、その翌年2015年1月開催のサロン デュ ショコラ 東京でか、のようです。店舗でも2015年あたりでは売っていたようですが、今は売っている感じはありません。

バレンタイン時期に期間限定発売されていた痕跡はありますので、バレンタイン時期になると、もしかしたら買えるのかも?

今も店舗で売っているか後日確かめられたらその結果を追記してUPしたいと思います。

辻口博啓シェフの「DNAに語りかけるショコラ」

コンセプトは「DNAに語りかける」、テーマは「郷愁を誘う」

2014年の「サロン デュ ショコラ パリ」に、辻口博啓シェフのル ショコラ ドゥ アッシュが出品したとのこと。

バリエーションは「旨みノワール」「和歌山のオレンジ」「ゴマおはぎ」「赤紫蘇」の4種類で、濃厚なチョコレートに「日本の食材」を組み合せているのが特徴です。

ちなみに、「旨みノワール」だけでなく、4種類全てに昆布だしが使われています。

なんで「DNA」?なんで「郷愁を誘う」?と思われますよね。

昆布に多量に含まれる「グルタミン酸」は、母乳にも同じように多量に含まれているそうなんです。世界保健機構(WHO)は、最低6ヶ月、最大2歳までは母乳だけで育てることを推奨するほど、母乳は人が育つ上で非常に重要なファクターであり、人種を超えたすべての人間の原点、ということなんですね。

なので、グルタミン酸を含むこのDNAショコラは、人の遺伝子に語りかけ訴えて揺さぶるショコラということなんですね。

辻口博啓シェフ「和を以って世界を制す」

この味の展開は、「日本人ですよ。でもショコラ愛してますよ。チョコと日本文化、仲良くしたい。日本を受け入れてね。日本文化を取り入れたショコラ、全然ありだし、むしろ美味しくなってるでしょ。チョコにもこんな一面があるんだよ。私たち、変わっていけるんだよ。異質なものが交わることでもっといいものが生み出せるんだよ。」ってことを証明してしてくれたようなショコラですね。

「負けてない。むしろ凌駕してやる。」みたいな気概も感じられます。

考えすぎ?笑

ですが、C.C.Cからも「洗練されていて、研ぎ澄まされた上品さを備えたエレガントなショコラ」だとの称賛を受けたそうです。

さらに、「日本伝統の味を組み合わせて驚くべき香りを表現している」とし、辻口氏の高い技術を評価したそうです。

辻口シェフのモットーは「和を以(もっ)て世界を制す」だそうで、あながち私の抱いた印象も間違いではないですね。笑



外国人には「昆布そのまま」はNG、「だし」ならOK。

日本人には古くから馴染みのある海藻ですが、日本人以外で、海藻を分解できる酵素を持つ人種は今のところ見つかっていないらしいです。

と言っても、これだけ広い世界ですから、昔から海藻を利用してきた民族ってありそうですよね。全人類を調べたわけではないので、日本人だけと断定はできません。

ですが、大体の外国の方は、昆布をまんま原型で出されても消化できないということは覚えておいたほうがいいですね。

すき昆布の煮物とか、昆布巻きとか、都こんぶとかを海外の方に食べさせるのはNG。

だしの中に含まれる旨み成分「グルタミン酸」は、消化できるのでOKです。

まとめの一言

まとめとしては、世界で認められた辻口博啓シェフの作る、昆布だしが使われたDNAショコラ、

とにかく一度食べてみたいっ!!!!

ってことです。笑

美と健康、あんまり関係なくなっちゃいましたね。

でも、昆布の旨みの元、グルタミン酸は、母乳にも含まれていて、母乳を十分に取れないと、心身に影響するそうですので、そこらへんについては、また別の記事で掘り下げたいと思います。

よければそちらもご覧いただけると嬉しいです。

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