2018年2月25日にTBS系チャンネルで放送された「ニッポン千年のだし」で取り上げられた西邨マユミさんと、西邨さんが提唱する「プチマクロ」について調べてみました。
料理研究家 西邨マユミのプロフィール
苗字「西邨」の読み方
まず気になるのが、苗字なんて読むんだろう・・・ってことですが、「にしむら」と読むようです。恥ずかしながら、読めませんでした。初めて見ました。
調べたところ、全国で39,833番目に多い苗字と言っているサイトがありましたが・・・わかりにくい!
大体1000万人に0.8人くらいいる可能性があり、人口比率で言うと0.000277%、総人数約300人!!
めちゃ少ないです!
分布としては、大阪、京都、奈良・愛知、東京、千葉の順に多いそうです。
なんとなく、きっと大阪中心に関西に少なく分布していて、大学や就職・転勤、結婚を期に関東に移ってきたのかな、という感じがします。
料理研究家 西邨マユミの肩書き
マクロビオティック・ヘルス・コーチ
パーソナル・シェフ
ORGANIC CARTEL 最高顧問
日本パーソナルシェフ協会 顧問
一般社団法人オーガニックヴィレッジジャパン(OVJ) アドバイザー
うーん、よく分からない。
パーソナルシェフとは
=「プロの家庭料理人」
=食べることの本質を理解し、食べる人の「いのちをつくる究極の家庭料理」を提供できる料理人
=常に食べる人のことを思い、クライアントの体調や好みなどに合わせて、日々の料理をプランニング、食材の選択、心を込めてお料理をつくり、クライアントの、からだと心の健康をサポートするプロの家庭料理人
だそうです。
日本パーソナルシェフ協会の公式サイトからの引用です。
ORGANIC CARTELとは
西邨マユミさんが立ち上げた団体で、「オーガニック」という共通項を通して、マクロビ、ヴィーガン、ヨギーなどの枠にとらわれず、健康や美について語り合い、情報をシェアし合い、大局的な視野で、思い描いている継続可能な未来を一つ一つ実現して行こうという考えの元、料理教室など食にまつわるイベントや食材の栽培などに取り組んでいるようです。
料理研究家 西邨マユミの経歴
1982年に単身渡米、マクロビオティックの世界的権威である久司道夫氏に師事。
その後、アメリカ マサチューセッツ州 クシ インスティテュート ベケット校の設立に参加し、同校の料理主任および料理講師に就任。同時に、がん患者や子どものために食事を作る経験を通して、また働く女性でも無理なく続けられるよう時代のニーズに合ったマクロビオティックのあり方を提唱・実践している。
2001年より通算10年間にわたり歌手マドンナ一家のパーソナル・シェフを務め、ワールドツアーに参加。その他にもブラッド・ピット、ミランダ・カー、スティング、ガイ・リッチー、ゴア元副大統領など多くのセレブリティに食事を提供してきた。
現在は国内外においてマクロビオティック・コーチ、パーソナル・シェフとして精力的に活動中。
プロフィール調べると、どこも同じソースからだなというものしか出てこないので、そのまま貼り付けました。上と同じものが、西邨マユミさんの公式HPと、ORGANIC CARTELの公式サイトに同じものが載っています。
要約すると、
1982年単身渡米、世界的マクロビ権威の久司道夫さんにマクロビを教わる。
マサチューセッツ州内のマクロビを教える学校の設立に参加し、料理主任兼料理講師に就任。
時代のニーズにあったマクロビのあり方を提唱・実践。
2001年から通算10年間、歌手マドンナ一家のパーソナルシェフを務める。
他にも多数の海外セレブに食事を提供。
現在は国内外で、マクロビを教えたり、パーソナルシェフをしたりの日々。
料理研究家 西邨マユミの年齢
これは、はっきりとはわかりませんでした。
そもそもあまり有名でないのか、レシピとか本はヒットするんですが、個人的なプロフィールについては出てこないんですよね。
女性だし、芸能人でもない一般の方ですし、あまり根掘り葉掘り知られたくはないでしょうね。
ただ、2017年時点で「アラ還」という情報があったので、もうすぐ60歳ということですね。
料理研究家 西邨マユミとマクロビとの出会い
1980年代、西邨マユミさんはマイナーなアレルギーがあり、医者に頼らずに良くなる方法はないかと、ベジタリアンのような生活を送っていたが手応えはなく、
そんな時、サンフランシスコで待ち合わせしていた当時のパートナーがマクロビオティック創始者である桜沢如一氏の本と玄米ごはんおにぎりを持っていたとのことです。
日本に帰ってからその本を読んで、早速実践すると、10日ほどで体が変わったことを実感し、それからマクロビにはまってしまったとのこと。
そして1982年に渡米して、クシ・インスティテュートというマクロビオティックの学校に通い、のちに師事する久司道夫氏に出会ったとのこと。
旅費がつきそうになったところ、ちょうど出会った久司道夫氏の家で住み込みで料理当番をしながら、学校に通えることになり、卒業後もそのまま久司道夫氏のもとで計約18年もマクロビオティックに携わってきたとのこと。
うーん、すごい行動力と忍耐力と継続力、という感じですね。
一つのことを極める人というのは、みなさんこのような経歴をお持ちの印象があります。
そもそもマクロビ(マクロビオティック)とは
マクロビオティックは、日本で生まれたもので、明治からある「食養」という考えに陰陽の理論をプラスした食事法、および思想とのことです。
食養とは
明治時代の薬剤師兼医師であり陸軍の薬剤監も勤めた石塚左玄氏が中心となり提唱した考えで、食事で健康を養うという独自の理論を持っていました。
英語のとことわざで、”You are what you eat.”とか、”What you eat is what you are.”というものがありますが、それと同じで、「食べ物が人を養い、病を治す」という考えで、食事内容の重要性を訴えた考え方なんですね。
また、「身土不二(しんどふに)」と言って、その土地に、その季節にできる旬のものを食べよ、という教えや、
草食や肉食に偏らず、バランスよく食べよ、という教えがあります。
また、Naが多い肉食に、Kが多い草食、その中間に「玄米」が位置するとして、バランスのとれた玄米食を推奨しています。
マクロビオティックの語源
英語で書くと、「Macrobiotic」で、「マクロ(macro)」と「biotic(ビオティック)」の合成語です。
意味的な語源は古代ギリシャ語の「マクロビオス(macrobios)」です。「マクロ(macro)」は大きい、「ビオス(bios)」は命という意味だそうで、合わせて、「偉大な生命」「健康による長寿」そして、「豊かな命を生きる法」という意味になるそうです。
日本では、「マクロビオティック」という読み方をしますが、英語圏の人が読むと、「マクロバイオティック」という感じになるそうです。
今は「マクロビ」の方が、馴染みがある感じがしますね。マクロビを実践している人は、「マクロビアン」とか「穀菜人」と呼ぶこともあるとか。
私はそんなの聞いたことなかったです〜;
ベジタリアンやヴィーガンは馴染みがありますけどね。
マクロビオティックの基本的な考え方
基本は、玄米が主食、野菜や漬物や乾物が副食とされる。
全体を通して、近隣の地域で収穫された、季節ごとの旬な食材、そして、有機農作物や自然農法による食材、天然素材が望ましいとされている。
野菜の皮は取らずに食べることが良しとされるし、アクも取り除かないので、農薬は不使用が望ましい。
マクロビで食べていいもの悪いもの
お肉ダメ!とか、よく聞きますが、基本的に、ダメな食べ物がないそうです。
というか、絶対食べちゃダメな食べ物はない、というか。
基本的に推奨される、食べるべき頻度や、食べるべき量は、ガイドラインとして示されていて、あとはそれぞれのアレルギーや体質に合わせてアレンジして良いようです。
桜沢如一が始めた「マクロビオティック」(食養+陰陽)
名前の読み方は、「さくらざわゆきかず」です。
1928年頃が始まりとのこと。
本来は食事法というよりも思想に近く、生活そのものを改善するような平和運動を伴った思想が根底にあるとされる。
食養の考えから始まり、肉や魚、卵も少しならOKとしつつも、最終的には玄米を主食とした菜食が良いという結論に至ったとのこと。
久司道夫氏がアメリカで広めた「マクロビオティック」
名前の読み方は「くしみちお」です。
久司道夫氏は、マクロビオティックの始祖、桜沢如一氏の弟子です。
1950年代に渡米し、「禅・マクロビオティック」と唱えて普及に努め、1970年代以降に政府や栄養学会にも認められたとのこと。最初は、あまりにそれまでの栄養学と矛盾しており、受け入れられなかったそうです。久司道夫氏が風土に考慮して再構築していった結果、どんどん米国内に広がり、久司氏の名前が入ったマクロビオティックの学校(クシ・インスティテュート)も複数作られるようになったとのこと。
ハーバード大主催、WHO(世界保健機構)バックアップの国際栄養学会の晩餐会の食事を依頼されたり、リッツ・カールトンホテルで採用されたり、数多くの著名人に実践者や愛好家がいたりと、アメリカでは大々的に有名で日常に溶け込んだものとなっているようですね。
マドンナと西邨マユミのマクロビオティック
西邨マユミさんは、通算で10年間、歌手マドンナとその家族に食事を提供し続け、パーソナルシェフとして多大な信頼を得ていたようです。
‘Mayumi makes delicious meals that has kept myself and my family healthy and happy for years’ -MADONNA
これはマドンナの言葉ですが、「マユミはいつもとても美味しい食事を作ってくれて、私だけじゃなくて家族を何年も健康でハッピーにしてくれた」という感じで、とても信頼してるなというのが感じられますね。
マドンナに提供した料理のポイントが、昆布だしだったそうです。マクロビオティックで使えるだしは、昆布か干し椎茸だけだそうですが、昆布のだしは海外の方にも受け入れられる味なんですね。どんな料理を出していたのか、気になります。
源流を繋ぎ進化させた西邨マユミの「プチマクロ」
「プチマクロ」とは
マクロビオティックは実践するには少し厳しいのですが、
西邨マユミさんの提唱する「プチマクロ」は、働く女性でもできるように、週末からでも、週に数回でも、気軽に手軽に始められる、現代のニーズに合わせて進化させた、いわば「ゆるマクロビ」のことです。
より良い食生活、より良い人生への小さな一歩をここから歩んで欲しいというような気持ちを、「プチ(petit)」に込めているそうです。
相手の状況や思考を否定せず、相手に合わせるというのは、西邨さんのパーソナルシェフとしての姿勢でもあり、それがマドンナやミランダ・カーなどに幅広く受け入れられてきた理由かなと思います。
「プチマクロビ」?
検索すると「プチマクロビ」って言葉が出てくるのですが、おそらく、「プチマクロ」を間違えて使っているのかな?と思います。
マクロビをちょっとゆるゆる実践してるよ。って意味で、そう使ってるのかな、と思いますが、西邨マユミさんが提唱しているのは「プチマクロ」です。
プチマクロ実践上の4つの約束
- 全粒穀物が主役
- 有機野菜をたっぷり
- 動物性をとらない
- 白砂糖はとらない
マクロビ、プチマクロで蜂蜜はNG?
マクロビで甘味料を調べると、「白砂糖はだめ」「茶色い糖分はOK」「メープルシロップはOK」と出てくるのですが、「蜂蜜」については、出てこないんですよね。
蜂蜜は、体を冷やす極陰性の食物とされています。また、「動物性」の食品とされているのでNGのようです。
また、大抵は殺菌のために加熱処理をしていて、ビタミンや酵素などがほとんどダメになってしまっているそうです。
でも、生蜂蜜なら、ビタミンも酵素もそのままなので、生野菜を食べないマクロビでは、たまに蜂蜜を食べることで普段摂れずにいる栄養素を取れるので少しならいいのでは?と思ってしまいますね。
どちらにせよ、糖分はあまり積極的に多量に摂るべきものではないので、控えめにしましょう。
「プチマクロ」のおすすめレシピ
これは、クックパッドに西邨マユミさんの公式ページありますので、そちらを確認していただけるといいかと思います。
料理研究家 西邨マユミさんのプチマクロ本
『三河みりんで味わうプチマクロ料理』キラジェンヌ
『プチマクロダイエット』講談社
『おいしい奇跡!LOVEプチマクロ』マガジンハウス
『Mayumi’s Kitchen日本語版』講談社
『プチマクロで美人ごはん』マガジンハウス
『ハッピー・プチマクロ』講談社
その他の著書
『正しい食欲のつくり方』ワニ・ブックス
『心とカラダを整えるスムージー&スムージー』講談社
『MAYUMIの世界一の美肌レシピ』主婦と生活社
『小さなキッチンの大きな宇宙』カナリア書房
最後に
ここまできて感じたのが、マクロビって、QOLを改善しようという考えもあるのかなということです。
QOL的幸福の中に、「心身の健康」というものがありますから、食事の改善=QOLにつながるのかなと。
プチマクロは特に、週一でもいいとか、気軽に始められるところが、時短を求められる現代人には、手軽で、かつ健康にいいということで、QOLが上がるのではないかと思います。
ただ、ものすごくお酒が好きな人とか、ものすごく糖分が好きな人とか、穀物が嫌いとかいう人がいて、そういう偏食気味な人にとっては、バランスよく食べよ、という教えは、必ずしもQOLに結びつかないかもしれませんね。
外から、どんなに「健康にいいから」「長生きできるから」と言っても、本人が苦痛に思っていたら、結局は幸せではなく、なかなか受け入れられるものではないんですよね。それが、結構ジレンマだったりします。
「良かれと思って」が受け入れられないって悲しいですもんね。
西邨マユミさんのマクロビ食は、ストイックなマドンナさんだけでなく、その家族にも受け入れられるものだったそうですので、マクロビに抱きがちなイメージである「美味しくなさそう」「食事がつまらなくなりそう」というイメージを覆すものなんでしょうね。
アレルギーや不耐性など、体質は色々ですから、それぞれに合わせて無理のないように実践してくださいね。